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5.昭和25年以降の製革業
わが国の革生産能力は昭和26年に行われた通産省調査によれば、年間、原皮約15万トンを鞣製できることになっている。当時の革の生産は表の通りである。
畜種別革の生産の推移 |
単位:枚 ( )は塩生トン |
畜種別 |
昭和27年 |
昭和28年 |
昭和29年 |
昭和30年 |
昭和31年 |
昭和32年 |
昭和33年 |
牛革 |
2,050,975 |
2,962,724 |
2,635,943 |
2,847,596 |
3,519,645 |
3,807,470 |
3,493,377 |
(37,836) |
(54,472) |
(46,706) |
(50,125) |
(61,680) |
(72,437) |
(66,142) |
水牛革 |
77,293 |
9,881 |
20,015 |
19,188 |
37,104 |
25,693 |
14,259 |
(2,289) |
(294) |
(598) |
(580) |
(940) |
(920) |
(559) |
馬革 |
84,424 |
197,737 |
236,267 |
261,623 |
454,410 |
365,539 |
244,415 |
(1,240) |
(3,279) |
(3,433) |
(3,892) |
(6,365) |
(7,038) |
(4,718) |
豚革 |
409,060 |
457,573 |
509,930 |
405,568 |
420,208 |
444,558 |
691,763 |
(3,045) |
(2,303) |
(2,582) |
(2,041) |
(2,084) |
(2,668) |
(4,171) |
山緬羊革 |
191,337 |
319,667 |
372,518 |
266,805 |
531,809 |
454,653 |
346,810 |
(261) |
(440) |
(510) |
(405) |
(863) |
(824) |
(624) |
水産革 |
39,387 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
(160) |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
合計 |
2,852,476 |
3,947,582 |
3,774,673 |
3,822,780 |
4,963,276 |
5,097,913 |
4,790,624 |
(44,831) |
(60,788) |
(53,829) |
(57,043) |
(71,932) |
(83,887) |
(76,214) |
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(注)牛革には中小牛革を含む |
皮革産業の特色は中小企業的色彩のきわめて強い産業であるが、製革工業もまたこの性格が濃く、大体において生産量の7割近くが中小企業によって占められている。生産される品目は用途によって、底革、甲革、ぬめ革、ベルト革、多脂革などに分かれている。
製革工場の分布は、通常、大企業と称されているものは一般革では日本皮革、明治製革、山陽皮革、北中皮革で、工業用革では新田帯革、大阪帯革、帝国化成があった。中小企業は通産省統計に報告されているものは従業員5人以上の工場で約220~230社程度であるが、そのほかに約400社程度の家内工業的な企業があると推定された。中小企業の地区別分布は次の通りである。
〔東京〕 |
荒川区三河島地区、墨田区吾嬬(あづま)地区に約130工場存在し、主としてぬめ、多脂革製造に従事している。吾嬬地区は豚革がとくに多い。 |
〔埼玉〕 |
草加地区約20工場で、主としてぬめおよび多脂革製造。 |
〔大阪〕 |
工場約20、クロム革および鹿・山緬羊革製造。 |
〔和歌山〕 |
わが国製革工業発祥の地で工場数約80~100、クロム革およびぬめ革製造。 |
〔兵庫県北摂地区〕 |
工場数約60~70、運動具、衣料用革・裏革の製造。 |
〔御着地区〕 |
工場数約40、底革製造。 |
〔高木地区〕 |
工場数約100、クロム革で主として甲革、裏革製造。 |
〔龍野地区〕 |
工場数約120、クロム革で主として衣料用革、運動具用革、裏革を製造。 |
以上の外に全国に散在しているものが10工場程度あって、ぬめ、クロム革の製造に当たっている。
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