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約7割のシェアを誇る「成牛革」の生産量 兵庫県における製革業の歴史はきわめて古く、弥生時代後期に大陸から帰化人が鞣製技術を伝え、その基礎を築いたとみられています。その後、江戸時代中期に全国的な商品経済の発達と姫路藩の重商政策のもとに大きく発展しました。

兵庫県皮革産業の歩み

(3)戦後の皮革産業 昭和30年頃まで

5.昭和25年以降の製革業

わが国の革生産能力は昭和26年に行われた通産省調査によれば、年間、原皮約15万トンを鞣製できることになっている。当時の革の生産は表の通りである。

畜種別革の生産の推移 単位:枚 ( )は塩生トン
畜種別 昭和27年 昭和28年 昭和29年 昭和30年 昭和31年 昭和32年 昭和33年
牛革 2,050,975 2,962,724 2,635,943 2,847,596 3,519,645 3,807,470 3,493,377
(37,836) (54,472) (46,706) (50,125) (61,680) (72,437) (66,142)
水牛革 77,293 9,881 20,015 19,188 37,104 25,693 14,259
(2,289) (294) (598) (580) (940) (920) (559)
馬革 84,424 197,737 236,267 261,623 454,410 365,539 244,415
(1,240) (3,279) (3,433) (3,892) (6,365) (7,038) (4,718)
豚革 409,060 457,573 509,930 405,568 420,208 444,558 691,763
(3,045) (2,303) (2,582) (2,041) (2,084) (2,668) (4,171)
山緬羊革 191,337 319,667 372,518 266,805 531,809 454,653 346,810
(261) (440) (510) (405) (863) (824) (624)
水産革 39,387 - - - - - -
(160) - - - - - -
合計 2,852,476 3,947,582 3,774,673 3,822,780 4,963,276 5,097,913 4,790,624
(44,831) (60,788) (53,829) (57,043) (71,932) (83,887) (76,214)
(注)牛革には中小牛革を含む
 

皮革産業の特色は中小企業的色彩のきわめて強い産業であるが、製革工業もまたこの性格が濃く、大体において生産量の7割近くが中小企業によって占められている。生産される品目は用途によって、底革、甲革、ぬめ革、ベルト革、多脂革などに分かれている。

 

製革工場の分布は、通常、大企業と称されているものは一般革では日本皮革、明治製革、山陽皮革、北中皮革で、工業用革では新田帯革、大阪帯革、帝国化成があった。中小企業は通産省統計に報告されているものは従業員5人以上の工場で約220~230社程度であるが、そのほかに約400社程度の家内工業的な企業があると推定された。中小企業の地区別分布は次の通りである。

〔東京〕 荒川区三河島地区、墨田区吾嬬(あづま)地区に約130工場存在し、主としてぬめ、多脂革製造に従事している。吾嬬地区は豚革がとくに多い。
〔埼玉〕 草加地区約20工場で、主としてぬめおよび多脂革製造。
〔大阪〕 工場約20、クロム革および鹿・山緬羊革製造。
〔和歌山〕 わが国製革工業発祥の地で工場数約80~100、クロム革およびぬめ革製造。
〔兵庫県北摂地区〕 工場数約60~70、運動具、衣料用革・裏革の製造。
〔御着地区〕 工場数約40、底革製造。
〔高木地区〕 工場数約100、クロム革で主として甲革、裏革製造。
〔龍野地区〕 工場数約120、クロム革で主として衣料用革、運動具用革、裏革を製造。

以上の外に全国に散在しているものが10工場程度あって、ぬめ、クロム革の製造に当たっている。

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