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約7割のシェアを誇る「成牛革」の生産量 兵庫県における製革業の歴史はきわめて古く、弥生時代後期に大陸から帰化人が鞣製技術を伝え、その基礎を築いたとみられています。その後、江戸時代中期に全国的な商品経済の発達と姫路藩の重商政策のもとに大きく発展しました。

革の種類

原料皮による分類

原料皮はたんに原皮ともいい、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウマ、シカ等の哺乳類、ワニ、トカゲ等の爬虫類、そしてその他カンガルーやダチョウ等が用いられます。この中でも使用量が非常に多いのが牛皮です。原料皮は大きさによって、ハイド[hide]とスキン[skin]に区別されます。

ハイドはウシ、ウマ等の大動物の皮でアメリカ、カナダの規格では重量が25ポンド(11kg)以上のものを指します。それに対して、スキンは重量がそれ以下のもので、子ウシ、ヒツジ、ブタ等の幼動物や小動物の皮を指します。原料皮はまたその部位によっても分類されます。サイド[side](背線での半裁)、ショルダー[Shoulder](肩部)、バット[butt](背部)、べリー[belly](腹部)等です。

牛革

革製品の大部分は牛皮が使用されています。わが国で使用されている牛皮の85%以上が輸入されています。牛皮の性質は、大判で厚く、繊維組織が比較的均一で充実していて強度及び耐久性があり、以下のような種類に分けられます。

成牛皮 去勢牛(ステアハイド)
生後3~6ケ月以内に去勢したオスで、生後2年以上を経たものの皮
雄牛(ブルハイド)
生後3年以上のオスの成牛の皮
雌牛(カウハイド)
生後2年以上のメスの成牛の皮
中牛皮(キップスキン)
生後半年以後から1年余りまでのものの皮
子牛皮(力一フスキン)
生後6ケ月以内のもので牛皮中のトップクラス
キップスキンやカーフスキンは成牛皮に比べると銀面(注1)が平滑できめが細かく美しいので、高級な革となり代表的なものがボックスカーフです。

(注1)動物の皮の構造は組織と性質が異なる表皮と真皮の2層からなっています。表皮層は鞣し工程の前の脱毛処理で除かれます。真皮は主にコラーゲン繊維からなり鞣されて革となるのはこの部分です。真皮層はさらに乳頭層と網様層に区分され、乳頭層の上面は革となったときの表面となる部分で銀面(ぎんめん)と呼ばれています。銀面は革の外観、品質に関係が深く、その凹凸模様は動物固有のものです。網様層は革の物理的強度に関係し、比較的太いコラーゲン繊維が縦横に交差しています。

緬羊皮(羊皮)

羊皮は種類が多く、皮の性状も多様ですが、ヘアシープとウールシープに大別できます。小羊の皮はラムスキンといいます。

シープスキン
【ヘアシープ】
強度的に優れているので、ゴルフ手袋や衣類に用います。
【ウールシープ】
繊維の絡み合いが少なく、体表面と平行に走行し、乳頭層と網様層に二分しやすい。軽くて柔軟ですが、強度は弱い。
【ラムスキン】
小羊の皮。毛皮原料としても良質。

山羊皮(ヤギ皮)

羊皮より充実した繊維組織を持ち、強くやや硬い。銀面は特有な凹凸をもち耐摩耗性に優れています。

ゴートスキン 山羊皮
キッドスキン子山羊皮。独特の銀面模様を持ち、高級靴の甲革、手袋等に用います。

豚皮 ピッグスキン

国内で自給できる唯一の原皮。組織の部位差が大きく、バット部(背部)が密で硬く、均-な柔軟性が得にくい。太い剛毛が裏まで貫き、表面に独特な毛穴の模様が見られます。革となるのは、脂肪の多い網様層が除かれ、凹凸の多い乳頭層のみです。

馬皮

全体に組織は荒いが、バット部の網様層は緻密で美しく、重量馬のバット部からはコードバンと呼ばれる硬い層が得られます。この部位以外は裏革等に用いられます。

その他

鹿皮
傷が多いので銀面を除いて使用することが多いのですが、非常に柔軟です。
カンガルー皮
比較的薄く、強度は強いがやや傷が多い。
ダチョウ(オーストリッチ)
羽根を抜いた後が丸く突起し、皮の表面におもしろい模様があるため珍重されます。
爬虫類(ワニ、トカゲ、ヘビ)
それぞれ特徴ある銀面模様が珍重されます。