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約7割のシェアを誇る「成牛革」の生産量 兵庫県における製革業の歴史はきわめて古く、弥生時代後期に大陸から帰化人が鞣製技術を伝え、その基礎を築いたとみられています。その後、江戸時代中期に全国的な商品経済の発達と姫路藩の重商政策のもとに大きく発展しました。

革の種類

用途による分類

革製品はその用途によって、履物類、衣類、服飾類、旅行用具類、工業用部品類、家具類、馬具類、楽器類、剣道用具類、手芸用などに分類されます。しかしながら、現実には製品の多様化に対応して様々な革が製造されており、用途別に全ての革を正確に分類することはできませんが、ここでは馴染みのある靴用革、衣料用革、バッグ用革、家具用革について述べることにします。

靴用革(履物類)

紳士靴、婦人靴、子供靴、スポーツシューズ、作業(安全)靴などに使われる革を総称して靴用革と呼び、使われる部分によって以下のように分けられます。

甲革
靴甲部の表革で、成牛、中小牛、ヤギ、羊、などの皮をクロム鞣し、あるいはクロムとタンニンで複合鞣ししたもの。
裏革
甲部を裏側から補強する革。羊、ヤギ、馬、豚、牛などの皮をクロムやタンニンで鞣した銀付革や床革が用いられます。
中底革
靴の内側で足裏に接する底部の革。タンニン革が最適とされていますが、レザーボード、ファイバーボードなども用いられます。
底革
靴底の接地する部分の革。
成牛皮をタンニンで鞣した厚手の革。

衣料用革(服飾類)

高級品には柔らかくて軽いヤギ、羊、中小牛などが、またジャンパーなどの実用品には大きくて丈夫な成牛のクロム鞣し革が使用されています。最近の傾向は「より軽く、より柔らかく、より薄く、より楽しい」ものであり色調や風合が多様化しています。国産革衣料の約80%が銀付き革、約15%がスエード革、3%がプリント革2%がその他です。

バッグ、かばん用革(旅行用具類)

バッグ、かばん等に使用される革の量は、わが国では靴に次いで多い。軽くソフトな感触の服飾用にはクロム鞣しされた銀付き甲革やボックスカーフが、また、ハードな感じのかばんにはタンニン革、ぬめ革などが用いられます。

家具用革(屋内や車のインテリアとして使用する革)

長期間の使用に耐える強度、耐摩耗性、染色堅ろう度が要求されます。大判でソフトな成牛革が多い。要求される耐摩耗性、染色堅ろう度の水準が高いので、合成樹脂塗料で厚い仕上が施されているものが多い。