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約7割のシェアを誇る「成牛革」の生産量 兵庫県における製革業の歴史はきわめて古く、弥生時代後期に大陸から帰化人が鞣製技術を伝え、その基礎を築いたとみられています。その後、江戸時代中期に全国的な商品経済の発達と姫路藩の重商政策のもとに大きく発展しました。

革のできるまで

[製品写真]
[使用写真] [使用写真]

1製作の概要

●製作前の下準備
【デザイン・製作図面】
デザイン性に加え、収納する機能、携行する機能、収納のスムースな出し入れなどの要素を考慮する。全体の大きさ、バランス、手ひもの太さ金具のバランスなど細部にわたって決定する。
製作したいサンプルがあればそれを参考にし、アイディアを組み入れる。

●革選び
革の種類、色、特徴、感触の中からイメージ、バッグに合った革を選ぶ。
選び方によっては高級感が出たり、カジュアル感が出る。

●副資材
手カン、バックル、なすカン、ホック、ファスナー、カシメ、芯材、クッション材、裏地など

●主な道具
金定規、カッターマット、裁ち包丁、かなづち、ローラー、ポンチ、カシメ打ち、カシメ打ち台、ゴム板、コンパス、接着剤(ゴム糊)、両面テープ、クリップ

●基本的な工程
1)紙型裁ち 紙型の用材は、チケン紙などの厚紙を使用。
革は手裁ちするため紙型が定規の役割を果たすので正確に製作。
バッグ類は、左右対称にならないとゆがみが出たりバランスが崩れるので左右対称の部分の紙型は、必ず中心線をとり折り目を入れ折り重ねて裁つ。中心線の位置には三角の切れ目を入れておくと中心がずれない。
一枚の部材があまり大きくならないように分割する。(胴の前と後ろを二枚に分割する)
胴型(前胴、後胴)
底型
手ひも型
芯型(芯が入る部分の紙型)
裏型(裏地と内側ポケットなどの紙型、携帯電話が入るポッケットは、厚みが必要)
クッション型(クッション材が入る部分の紙型、今回は、底部分)
2)裁断 革は、天然素材なので一枚の革でも部位によって複雑な要素を持っている。比較的堅い部分(一般的には背の部分)、柔らかい部分(一般的には腹の部分)。
キズ、色ムラ、厚さの不均一など確認し、ムダが出ないように効率よく裁断する。使用する革の上に全ての紙型を配置してみる。
前胴、後胴などの対になる部分の革の外観や感触、素材の方向性など同一になるように、また胴の中心線に革の背筋を合わせて左右対称に裁断する。
3)革漉(す)き 通常バッグに使用される革は、厚さ1.2~1.5㎜ですが、折り返しの部分など作業性、仕上がりの美しさのために必要に応じて革を薄く漉き落とす。
※漉きの種類
漉き方によって「べた漉き」「こば漉き」「段付」「漉き落とし」があります。
漉きの厚さによって「厚漉き」「中漉き」「薄漉き」「溝漉き」があります。
ヘリ返し、手ひもなど部位によって漉きの使い分けをする。
4)仕立て(縫製) 裁断と漉きを終えた部材を組み立てる作業。デザインや革の味を表現する重要な工程で、布と違って縫製を失敗するとミシン目が残り修復ができない。
仕立てには、注意と技術が必要。仮り止めなど接着作業、縫い合わせ作業がある。
仮止めに両面テープは、扱いが簡単で便利。

2紙型作り

それぞれ荒裁ち(大きめ)をしてから正確に裁つ。
天地左右二つ折りにして裁断すると天地左右対称になりやすい。
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全てセンターを出しておく(中心を出すと縫い合わせのとき中心がずれなくて便利。
センターの目印に裁ち包丁で三角の切れ目を入れておく)

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1)底紙型

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縫い代(胴、たまぶちを縫い合わすので約1cmをとっておく)を作っておく。
コンパスを使ってアール部分を作る。

2)底芯

紙型底型同様


3)胴紙型(前・後2枚)

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へり返し1㎝、縫い代8㎜をとる。
それぞれの所に線を入れておくと正確に折り曲げ、ミシンがけができる。
見付けの位置を決め線を入れておく。

4)見付け紙型(2枚)

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ヘリ返し、縫い代、裏地の位置、マグネットボタン位置を印しておく。


5)裏地紙型

ポケット位置を決める。見付けを除いた大きさ。
見付けと重なる位置を印しておく。

6)ファスナー芯紙型

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使用するファスナーの長さ。


7)ポケット裏地紙型

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携帯用ポケットは、携帯の厚みをとっておく。
布の場合、ほつれが出ないように折り返し縫い部分をとっておく。
折り返し、ミシン目を印しておく。

8)手ひもの紙型

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仕上がり幅1.8cmの場合、折り返し、縫い代を含めて、5.5cmの幅が必要。


9)金具取り付け用飾り革紙型

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胴型に金具取り付け位置を決め、印しておく。

10)手ひも止め用金具、
取り付け紙型

3裁断

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1) イメージに合った革を選んだらキズを注意し
胴部分を一番イイ場所を選ぶ。

2) 今回のように、長い手ひもがある場合、平均して堅くて、
長く取れる部分を一番に選ぶ。

3) 金具の取り付け革は、革の堅い部分を選ぶ。

4) 全ての紙型を置いて革がムダにならないように位置決めをする。

5) 裏地の色、厚さ(腰のある物がバッグがしっかりする)、
素材(材質)を選ぶ。

6) 革・裏地を荒裁ち(大きめに裁断)する。

4本裁ち

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1) 紙型にそって正確に裁断。

2) 紙型のセンター位置通り革にもセンター位置に三角の印を
入れておく。

3) 重しを置いて裁断すると正確に裁断できる。

4) 革は、伸び、曲りがでるので革だけを動かさない。
カッターマットごと動かす。

5) バックルなど金具止め革は、二枚をのり付けし、ローラーで押さえてキチッと張り合わせてから裁断。
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裁断は難しいので鉛筆で型をなぞって裁断するとよい。
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5仕立ての前準備

1)漉き

手ひも、胴、見付け、胴のファスナー部分、たまぶち、革が重なる部分、ヘリ返し部分に漉きを入れる。

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2)たまぶち

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のり付けしてビニール芯を入れる。

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ローラーでしっかり押さえておく。


3)底とたまぶちの位置を決めてホッチキスで仮り止めをする。 [写真]

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カーブの所は、切り込みを入れるときれいなカーブができる。

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たまぶちのつなぎ目は、ビニール芯が重ならないように切り揃える。


4) 芯と胴がずれないように
のり付けする。
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5)ファスナーの部分にのり付けして、紙型を入れる。 [写真]

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芯型にそって折り返す。

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6)ファスナーを両面テープで仮り止めをする。

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6仕立て(1)

1)ポケット袋を作る。

ファスナーの幅、折り返し部分を省いてミシン。 (両サイドを先に縫う、返し縫いでまとめる)

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2)金具をつける。 [写真]

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3)カシメで仕上げ。

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4)底とたまぶちを
縫い合わせる。
(底芯型を入れる)
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5) 底と胴を縫い合わせる。

それぞれのセンターを合わせてクリップで仮り止めをする。
寸法を確認。縫い代を確認してミシン。

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6) 内ポケットを付ける。

それぞれのセンターを合わせてクリップで仮り止めをする。
寸法を確認。縫い代を確認してミシン。

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携帯電話の部分は、厚みを確認してミシン。

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ポケットの弱い部分は、返し縫いでしっかり止める。


7)見付けの取り付け。
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見付けを両面テープで仮り止めして縫い合わせる。

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見付けの芯を入れて見付けにそってヘリ返し。

7仕立て(2)

8)マグネットを付ける。

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マグネット雄、雌の位置を確かめる。

9)裏地を縫い合わせる。 [写真]

10)金具用革(根革)を取り付ける。

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11) 前胴、後胴を縫い合わせる

仮り止めをしてミシン。

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12)胴と底の縫い合わせ。

センターを合わせ、仮り止め。底と胴をキッチリ合わせ、たまぶちにそってミシン。

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13)裏地を縫う。

胴の裏地と底を縫い合わせ。センターを合わせ、仮り止めをする。

胴と底がズレないようにミシン。


14)ホック穴をあける。

仮り止めをしてミシン。

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8仕立て(3)

15)ホックを取り付ける。

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16)手ひも固定用根革を作る。

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17)手ひもを作る。

伸び止め芯(伸び止めテープ)を入れる。折り返し部分にのり付け、先芯を入れて折り返す。そしてミシン。

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18)金具止め根革を作る。

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19) 金具、根革を胴に
取り付ける。

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20)胴、裏地、手ひもを縫いつける。

裏地、胴のセンター、高さを合わせ、両面テープ、クリップで仮り止めしてミシン。

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21) 手ひもに穴をあけ、完成。

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