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約7割のシェアを誇る「成牛革」の生産量 兵庫県における製革業の歴史はきわめて古く、弥生時代後期に大陸から帰化人が鞣製技術を伝え、その基礎を築いたとみられています。その後、江戸時代中期に全国的な商品経済の発達と姫路藩の重商政策のもとに大きく発展しました。

兵庫県皮革産業の歩み

(1)皮革産業の始まり 播州白鞣革

3.皮なめし発祥地の伝説

姫路の白鞣革は古くは越靼(こしなめし)、古志靼、播州靼あるいは姫路鞣ともいわれてきたが、その製革技術の始まりについてはいくつかの言い伝えがある。集約すると3つになろう。

(1)朝鮮伝来説
 地元では最もよく知られているもので、神功皇后三韓征伐の折の捕虜で熟皮術に長けるものがあり、丹波の円山川で試み、南下して市川で成功し、村人にその技術を伝えたものという。
(2)聖(ひじり)翁授説
 その昔、松ヶ瀬(高木の古称という)の椋の巨木の下に住む博識の老人より学び、製革を始めたという。この老人を聖翁と尊称し、それが地区で祀っている聖神社の祭神といわれる。
(3)出雲国由来伝説
 製革の起源を神功皇后時代にあたると認める一方で、元禄時代出雲国古志村の革商が大阪木津川試みたが成功せず、市川で良品を得て、越革として世に出して名声をなしたという。

高ノ木神社に合祀されている
聖神社

実際にはこれらの伝説が混合したような形で語り伝えられているが、それらを裏付ける具体的な史料は見られないようである。一方、製革技術史的に考えると、現在の手法がそのまま昔からあったとはいえないので、むしろ数百年の技術的変遷と結びつけることによってその伝説が意味を持ってくるものと推察している。

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