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『姫路と瓦』江戸時代から続く姫路の「神崎瓦」づくり

姫路の瓦のルーツ

文化2年(1805年)、瓦に使う良質の原料粘土を探し求めていた姫路藩御用瓦師「小林又右衛門」が、小利木町から神崎郡船津村(現:姫路市船津町)に移り住み、窯を築いたのが始まりとされています。
後に馬車道が開通し、ここに休憩所(立場)ができたことから「立場瓦」とも呼ばれました。
以来、昭和の初め頃まで多くの瓦工場が船津周辺に軒を寄せ合い、「神崎瓦」の名を全国に知らしめるようになりました。
時代の変遷を経て瓦製造業者の数こそ少なくなりましたが、現在も船津を中心に一般住宅用の瓦から寺院や城郭に用いる役瓦(屋根の特殊な部位に用いる瓦。鬼瓦など)などの瓦を生産し、伝統の技術を今も継承しています。

姫路の瓦が姫路城を守る

姫路城

昭和31年から始まった世界文化遺産「姫路城」の「昭和の大修理」にも五層六階の瓦を葺き替えるために大量の神崎瓦が用いられることとなりました。城郭の瓦には高い防水性や耐圧性、耐寒性が求められますが、神崎瓦はそれをクリアできる品質を持っていました。そして現在まで屋根に葺かれた神崎瓦は世界的に重要な文化的遺産である姫路城を雨水から守っています。
ちなみに姫路城(天守閣群)に使われている瓦の総数は75,450枚です。
また、姫路城の大店主のしゃち瓦の大きさは約1.8mもあります。

伝統の技をもっと知ってもらうために

瓦を使った工芸品

姫路市では市内の多様なものづくりの現場の魅力を観光に生かすため、船津の瓦や地場産業の製造現場などを巡る産業ツーリズムのモニターツアーを行いました。
姫路城や寺社仏閣などの屋根瓦を手がける船津の瓦工場では、参加者が職人の指導を受けて製作体験に挑戦して瓦のしゃちほこを作りました。こうやって市内外の多くの方々に船津の瓦を知っていただけるように市をあげて取り組んでいます。
また、姫路の瓦製造業者の中には現状を打開すべく、瓦を使った工芸品、置物、インテリア商品などを販売したり、手作り体験教室などを設け、一般の方にもっと身近に瓦の素晴らしさを知ってもらえるよう努力しています。