• 皮革
  • ゼラチン
  • 鎖
  • マッチ
  • ボルト・ナット
  • 乾めん
  • 菓子
  • ゴルフクラブ
  • 地酒
  • いぶし瓦
  • 家具

『瓦の歴史』大陸から仏教とともに伝来した

最古の瓦

誰によっていつごろ発明されたかは現在も解明されていませんが、世界で最も古い瓦が発見されたのは中国の陳西省西安の近郊でした。およそ2800年前のもので、薄手の平瓦だったと言われています。

日本伝来

日本書記によると西暦588年、古代の朝鮮半島南西部にあった国「百済」から仏教と共に伝わったとされており、麻奈文奴・陽貴文・陵貴文・昔麻帝弥という4人の瓦博士が派遣され、奈良県の飛鳥寺の創建で初めて瓦を使用されたと言われています。

寺院以外での使用

地図

瓦はそれまで寺院の建築にのみ使われていましたが、7世紀末に建設された藤原京は、瓦を使って造られた都でした。これが日本で初めて寺院以外で瓦が使用された建造物です。また、藤原京の建設に使う瓦の生産が周辺では間に合わず、 瓦の生産地を近江、淡路島、讃岐にまで広げ、大量生産に乗り出しました。

一般家屋への普及

桟瓦

瓦は寺院や仏閣や城郭でのみ使われ、現在のように一般庶民の家に葺くには高級すぎる建材でした。それが広く一般家庭に普及したのは、江戸時代末期ごろだといわれています。
当時の一般家屋は多くが板葺き屋根でした。「火事とケンカは江戸の華」といわれるように江戸の町は火事が多く、一度火が出ると木と紙でできた日本の民家を焼きつくすまでおさまりませんでした。それまで「奢侈禁令」という贅沢を禁止して倹約を推奨する令の一環として、庶民の瓦や土蔵を禁止していた幕府でしたが、防火対策のために土でできている瓦の使用が奨励され、助成金を出すようになりました。それに相まって、近江(滋賀県)三井寺の瓦師「西村半兵衛」が「桟瓦」という平瓦と丸瓦を合体し、軽量で安価な一枚瓦を生み出したこともあり、一般の家屋にも普及していったのです。

洋瓦の誕生

S型瓦

明治時代の初め、開港間もない横浜で商売を始めていたフランス人のアルフレッド・ジェラールが横浜で、洋風建築用としてフランス型の瓦の製造を始めました。これがジェラール瓦(フランス瓦)です。ジェラールの建てた工場はその後廃業しましたが、跡地は現在、横浜市中央区元町の元町公園として市民から愛されています。
また大正時代にスペインから南プロバンスの土と炎の融合で一枚一枚同じ色がでないことが特徴の「スパニッシュ瓦(スペイン)」が輸入され、これを参考に三州で「S形瓦」が誕生しました。それ以降、これらの瓦を洋瓦と呼ぶようになりました。

進化する瓦

明治初期に桟瓦を改良した引掛桟瓦が開発されました。そして1926年以降、当時の内務省の奨励により引掛桟瓦を瓦葺きに用いる標準的なものとして現在も用いられています。
また、FRPを使った軽量瓦や、ヒートアイランド現象を緩和させる高反射率瓦などの「エコ瓦」や強風や地震に対して強い仕組みを持っている「防災瓦」など機能性を重視された瓦が開発されています。