兵庫県姫路市の地場産業を詳しくご紹介。
近年、「伝統」や「和」に対する関心が高まってきてはいますが、瓦業界は需要の減少を辿っています。
全国陶器瓦工業組合連合会より引用 1995年の阪神大震災時に「瓦の重さが建物倒壊の原因」というような風評が流れ、和瓦葺き屋根に対する重さの偏見が生まれてしまい、瓦屋根の激減を招いた結果、一般住宅に対する需要は減少してしまいました。しかし、建物倒壊の原因は、脆弱な地盤によるものや、建造物の構造上の問題といった部分が大きく、瓦の重さのみが原因ではなかったのです。 これに対し業界では、瓦の安全性を訴え、イメージを回復するためにテレビCMの放映、ラジオCMの放送、パンフレットの作成配布など多様な方法で取り組みました。 また、瓦業界では地震に強い瓦屋根づくりに積極的に取り組み、様々な科学的テストを行った結果、阪神大震災級の大地震の揺れにも安心な工法を編み出しました。 しかし、昨今の世界的な原油価格の高騰が、瓦を焼成する際に用いる燃料費の高騰につながり、瓦業界は更なる打撃を受けることとなりました。また、長年の瓦の大量生産により原料である粘土の枯渇化が進行してしまい、苦渋の選択ののち瓦製品の卸売価格を値上げせざるを得なくなりました。 ただ、こういった厳しい状況の中、瓦業界では瓦を使った工芸品、置物、インテリア商品など企画・販売に乗り出し、瓦の良さをもっと身近に知ってもらえるよう、新たな道を模索しています。 |