ゴルフクラブの金属ヘッドの製造方法には大きく分けて2つの方法ある。
一つは鉄を熱して鋳型に流し込んで製造する「鋳造」。
比較的簡単に製造でき、少々複雑なデザインも生産可能である。
もう一つは熱された鉄を叩いて製造する「鍛造」。
鋳造に比べ、高い技術と忍耐力が求められる。
彼はあえてその「鍛造」にこだわり続ける。
もちろんこだわるのには理由がある。
文字通り叩いて鍛えることによって、金属組織の緻密化と強靱化をもたらすことができる。
それがプレーヤーが感じることができる圧倒的な打感の良さやボールコントロールに結びついてくるからだ。
従来では難しいとされていた、複雑な構造のデザインも生産が可能になってきた。
鉄を打ち鍛えるその姿は、古の刀鍛冶に連想される、まさに匠という言葉がぴったりと当てはまる。
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