「縁の下の力持ち」、彼にはそんな言葉がぴったりと合う。
表舞台で華やかな脚光を浴びる事は少ないが、それ無くしては決して成り立たない。
彼の創り出すものは「ソケット」、そう言われてもぴんとこない人もいらっしゃるだろう。
ヘッドとシャフトの接地点に存在するものであり、その役割は例外なく大きい。
プレーヤーが捻り出したパワーをグリップからシャフトに、そしてシャフトからヘッドに、漏らすことなく正確に伝える役割を持つ。
伝わる物はパワーだけではなく、時にはそのゴルファーの想いをも伝えることが出来るかも知れない。
そう信じながら、また黙々と黒子役に徹する作業を繰り返す。
しかし彼にとってはそれが、至福の一時であることは間違いない。 |