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クッション、革バッグ講座
レザーウェア講座
あまり革でバッグを作ろう
ギャラリー
道具ご紹介

●開催日/2005年2月24日、3月1日、3日、8日、10日に
●時 間/10時〜15時(1時間休憩有)
●場 所/姫路市野里字東河原 「皮革工業技術支援センター」
●受講料/¥4000(材料費込)
●講 師/北田郁雄先生 沖村和子先生

この日の参加者は市内外から集まった6名の方々。ものづくりには興味が有るけれど革を扱うのは初めてという方ばかりです。この日は高級感あふれるショルダーバッグに挑戦!デザインは同じで、大小サイズと革の色目などを好みで選ぶところから始めます。さて、どんな逸品が生まれるのでしょうか…?!

沖村和子先生 北田郁雄先生

革と一言でいっても千差万別。ガラス加工の光沢のあるもの、マットで布地の様な質感などさまざまです。オーストリッチやリザード調の型押しを施したものや、プリント柄が入った珍しいものも揃います。固いもの柔らかいもの、薄いもの厚いもの、色目も豊富に揃った革生地から好みのものを選びます。

まずは、デザインに合わせた型紙を作るところから。出来上がりを左右する重要な作業、みな真剣に説明を聞いています。折り曲げてから紙を切ることによって簡単に完璧な線対称のラインを作ります。

ボール紙を切り取ってで作った型紙。これを生地にあてて切り取っていきます。不思議な形なのでこれがどうなって完成されていくのか不思議な感じ?

型紙を革生地にあてがって、重しでしっかり固定しカッターで切り取ります。切り損なうと修復がきかず台無しになってしまうので息を呑んで真剣に!1頭の牛から取られる一枚物の大きな革には部分によって固さや質が違っているので(お尻に近い方がより高級だとか)、バッグを作る上で特性を活かせるように、かつ美しく見える様に計算も必要です。

本体のパーツ4枚の切り取りが出来ました。このパーツのヘリに、ミシンをかけるための下準備に取りかかります。


一見、昔のミシンの様な形をした機器「革すき機」を使います。いきなり本番だと不安なので、上手く出来るようになるまで全員で代わるがわる端切れを使って練習しました。先ほど作ったバッグのパーツのヘリをこの革すき機で薄くし、縫いやすく加工していきます。

機械を通した部分の厚みに変化が出ている様子がわかりますか?「加工する場所の違いで厚みにも差をつけていくんです。初めて使う機械だから珍しくておもしろい!」と参加者Aさん。

左右2枚のパーツをずれない様に一旦テープで仮止めし、ミシンで縫い合わせて行きます。バッグの口になる部分にのり付けし折り曲げて固定します。バッグの表面にノリが着くと見た目に美しくないので、注意しながら作業をすすめます。

のり付け後、ミシンをかける。「カーブの部分は、直線と比べると難しいので小さなダーツを入れながら丁寧に仕上げてね。」と沖村先生のアドバイスが。ポケットもこの時挟み込みます。面倒がらずにきちんと定規で測ってセンターに取りつけると仕上がりに差が出ます。バッグの底の部分も同じようにテープで仮止めしてから、ミシンで縫い合わせる。

内側になる部分を外側にして丸めて袋状にし、仮止めする。口の部分がズレないように合わさっているか確認しながら行います。


「ほら、ずいぶんバッグらしくなってきたわ!」とBさん。初めての作業ばかりで緊張の連続でしたが、完成に近づいて心がほぐれてきた様子。
両脇を縫い合わせる。縫い終わった糸は最初は長めに取っておき、表面から見えないところに潜り込ませてキレイに処理を。糸の素材は革用の特殊なものなので熱を加えて留める事ができます。

次は、バッグ底のに当たる部分を作ります。左右両角部分をかしめて仮止めします。


表からは解りにくい部分ですが、こちらも隙間など出ないように注意をしながらミシンで縫い合わせます。
肩紐の部分も革から切り取って用意しておく。カバンと全く同じ色にしたり、濃いめの色にするかは自由です。仕上げに、肩紐の切り口にペイントをして乾かしておきます。バッグ本体にあてがい、つなぐ位置を決めてアタリをつける。肩紐の長さは実際に自分が使う時の様にあてがって、鏡で確認しながら好みで決めます。

肩紐とバッグ本体をつなぐ位置にパンチで穴を開ける。こちらも寸法を間違うと台無しになるので、採寸は正確に行うこと。

実際に、バッグ本体とベルトをつなぐ位置にパンチ穴が開けられました。作業中にずれないようにマーキングはしっかりつけておきます。
金具を金づちで取り付けて装着完了。目立たない大きさの皮パッチ(洋裁で言う力布のようなもの)を用意しておいて、金具と本体裏側の間に挟み込んで置けば強度がグンと上がります。金具の表裏を間違い安いので要注意!「とにかく、キレイな方が表に向くように。」と北田先生

表側にひっくり返して角もキレイに押しだしたら…。立派にバッグの形が出来上がりました。90%完成です!「きゃー、見てみて!」肩にかけてみたり、肘にぶら下げてみたりと簡単に試着。軽くて張りの有る牛革素材、一枚物の革のときより色目の美しさも映えて見えるようです。
仕上げに、バッグの口の中心に留め磁石を取りつける。留め革の幅やサイズは用途や好みに応じて自分で決めることが出来ます。肩紐の時と同様に、留め革を切り取ったら縁をペイントして乾かしておく。

ついに完成!「やったー!」「お疲れさま、良いのができたね〜!」歓声があがります。苦労した分喜びもひとしお。お世辞でなく、デパートに売っていてもおかしくない素敵な作品を全員完成させることができました。今日、先生をはじめ参加者6名、出会ったばかりの仲間ですが、一日を共に過ごしてすっかり仲良くなりました。「絶対、家族に自慢してしまうわ〜。」「楽しいし、大満足!次は友達にも声かけよかな。」「次は違う色の一回り小さいバッグが欲しい!」わきあいあいと和やかに終了する事ができました。