レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452〜1519)が残したノートの中に、タップ・ダイスによるねじ加工の原理がスケッチされています。彼は、ねじ切り施盤のスケッチもノートに残しています。これは、2本の親ねじ、スライトレストと換え歯車まで用意した近代的な構造のものです。また、ドイツ人のゲォルク・アグリコラ(1494〜1555)の著書に出ている鞴(ふいご)の製法を示す図には、頭部にすりわりがあり、ねじ先がとがった木ねじのようなものが描かれています。このことから、金属製のボルト、ナット、小ねじ、木ねじ類は1500年前後に出現たと考えられます。当時ねじは、主に馬車や荷車などの組み立てに使われましたが、一部の鎧では、前方から身体を入れ、胸当てをねじで止めるタイプの鎧も存在しました。フランスのルイ11世(1461〜1483)は金属製のねじで組み立てた木製のベッドを使用していたそうです。
レオナルド・ダ・ヴィンチが残したねじ切り施盤のスケッチ |
タップ・ダイスのスケッチ
ゲォルク・アグリコラの
著書に出ている鞴
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