朝になると連日のように、私のデスク(備後地域のいなか町)から、「お天気雨」ならぬ「お天気雪」がみえる。
「大寒」が過ぎても、本当に寒い!… けれど、東北の方々が今頃、極寒の地で必死に頑張っていることを思えば、「応援消費」に協力したり、物を大切に扱わなければと思う。
例えば、エアコンや床暖房を、少しでも節約しようとは努めているが…。
年初に、陸前高田市から「年賀状」が届いた。…お便りの主は、著名なアートフラワーの先生だった「M・H」女史。
実家のあるその地に東京から移った翌年、「大震災」に遭遇して津波に襲われた。
彼女からの「肉筆」のお便りは、昨秋よりも一段と文面が力強く逞しくなっていて、こちらがホッとさせられた。
お便りといえば、企業や店から発信する「DM」も、宣伝効果を担ってはいるものの、心がこもっていれば「売り手」と「買い手」とをつなぐ、大切なコミュニケーションツールとなろう。…近年は、人から人への「ハートフルレター」や「シーズンレター」までが、活字で埋め尽くされている。
差出人の筆跡を見れば、そのときどきの「心理状態」や「体調」、「性格」までが、推し量れたのは一昔前のことか。
活字に添えて、たった一行でも肉筆があると、いただく側は“温もり”を感じる。
「何を…今の時代…古くさいことをッ」の声もあろうが、フランスには、難関の国家試験の一つに、「グラフォログ(筆跡診断士)」という資格がある。
フランスでは企業の採用試験時に、その分野のコンサルタントやケースワーカーが、履歴書(肉筆)の筆跡を診断・分析して、応募者の「性格」や「適正」を見極め、「適材・適所・適任」のアドバイスをする。
「アムール」と、青(自由)白(平等)赤(博愛)の国旗を掲げるお国柄らしい。
また「グラフォロジー」とは、「筆跡心理学」のことで、書道家である「森岡恒舟」先生が、わが国に導入されて広めた。
誰しもが、活字を操作できるネット社会では、資料や報告書の作成に追われて「心にお茶のない」人が増えている?
〜 商いのエッセイスト 〜
ドミナント代表